杉内俊哉、和田毅、ホールトンの抜けた先発3本柱の穴は大きくリーグ3連覇こそ逃したが、ベテラン、新戦力、若手がうまく融合し、Aクラスに滑り込んだ。
昨季のチーム防御率2.32から主力が抜けた中で、今年も防御率2.56を残したのは見事。エース格として期待された攝津正が17勝を挙げると、11年ドラフト1位の武田翔太が高卒ルーキーながら8勝、大隣憲司も自己最多の12勝を記録した。また、今季から新加入した岡島秀樹が開幕から46試合自責点0を続けるなどフル回転。森福允彦も中継ぎ、抑えとして安定した投球を披露した。
若い選手が多いながらも、守備率9割9分を残したセカンド・本多雄一を中心に投手陣を守り立てた。チーム守備率は9割8分6厘と他球団に比べても遜色ない数字を残した。
得点数はリーグ5位と決して高くはないが、バランスのいい攻撃がホークス打線の特徴だ。本多雄一、明石健志を中心に2ケタ盗塁を記録した選手が6人を数え、チーム盗塁数はダントツの144を記録するなど足を絡めつつ、“安打制造機”内川聖一、長打のあるペーニャが勝負強い打撃を披露した。
川崎宗則の抜けたショートに09年ドラフト1位の今宮健太が定着し、首脳陣の期待が高い2年目の柳田悠岐は8/16にサヨナラ本塁打を記録するなど8月以降で5本塁打を放ち潜在能力を垣間見せるなど若手の台頭が目立った。
選手会長の本多雄一や内川聖一ら主力に明るい選手が多く、経験の浅い選手を引っ張った。8月に7連勝を記録するなど、一度火がつくと、お祭り状態となる。
野手では投打ともに若手の台頭の兆しがあり、将来に向けてステップとなる1年だった。今後は苦手な短期決戦となるが、怖いもの知らずの若手に勢いがつくと2010年のマリーンズのような下克上もありえそうだ。さらにファルケンボーグ、攻守にチームを引っ張った松田宣浩が右手骨折から復帰してくるのも頼もしい。CSを勝ち抜き今季限りでの引退を表明している小久保裕紀のホームユニフォーム姿が再び見られるか。
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