クライマックスシリーズ出場各球団のOB、ファイターズ・岩本勉さん、ライオンズ・大塚光二さん、ホークス・本間満さんが語る!!
1971年5月11日生まれ。大阪府出身。
「まいどっ!」のあいさつで知られる、ファイターズの元エースピッチャー。1989年ドラフト2位でファイターズに入団し、プロ2年目の91年に1軍初登板。プロ6年目となる95年にプロ初勝利をマークすると、以降3度の2ケタ勝利を記録するなど、90年代のファイターズの中心ピッチャーとして活躍した。現在はプロ野球解説者・スポーツコメンテーターとして活躍中。愛称はガンちゃん。
――3年ぶりの優勝を達成したファイターズの今季の戦いについてはどう思われますか?
岩本 今季は若手、中堅、ベテランがうまく融合した1年だったんではないかなぁと思います。春先は4番に座った中田翔がこれ以上ないほどに絶不調でしたけど、その穴をベテラン・稲葉(篤紀)が見事にカバーしましたよね。稲葉は自分の2000本安打の達成もかかっていましたが、そのプレッシャーを感じさせないぐらい、春から夏にかけては大活躍しました。また投手陣でも、今年はダルビッシュ有という大エースが抜けた中、武田勝が安定した登板を続けてよく頑張りました。吉川光夫の台頭もありましたけど、僕は武田勝の活躍が素晴らしかったと思いますね。栗山英樹監督はキャンプから選手個々とじっくり会話をして、チームを作り上げてきました。それが見事に実ったシーズンだと思いますよ。
――特に、投手陣の踏ん張りが素晴らしいシーズンだったと思いますが?
岩本 そうですね。今年は特にリリーフ陣が充実していました。武田久、増井(浩俊)、宮西(尚生)の3人が勝ちパターンとしてしっかり機能しましたよね。終盤に来て、石井(裕也)が復活したというのも、さらにチームを安定させました。先発陣だと、武田勝はもちろんだけど、あとは吉川。彼は、今年高卒6年目ですけど、この年って、気持ち的に転機になりやすいんですよ。実は僕がプロ初勝利を挙げたのも高卒6年目なんですけど、前の年に同級生の大卒組が入ってくるんですよね。そして、どんどん1軍での出番を勝ち取っていくのを目の当たりにするんです。だから、ライバル魂とか意地みたいな感情が出てくるんですよね。吉川も、キャンプから気合が入っていましたよ。
――充実したチーム状態の中、いよいよCSです。CSの魅力とは、どういったところにあるでしょうか?
岩本 144試合を戦った後の短期決戦ということで、今季の全てがかかるわけですから、色んなものがギュッと凝縮された“濃い”試合が展開されます。より高いレベルの試合が見られる、野球の面白さが凝縮された戦いです。特に、試合内容で言えば、各チームが1点を獲りにくる野球をしてきます。エースとエースのぶつかり合いも多いですし、レギュラーシーズンより濃厚な試合が行われるというのが一番の魅力でしょうね。僕は現役のとき、登板経験はありませんでしたが、ベンチがものすごくピリピリした雰囲気に包まれていたのを覚えています。勝ち上がったチームによる決戦ですから、これはもう見逃せないですよ。
――いまから戦いが楽しみです! では、CSにおいて、岩本さんが考える今季のファイターズのキーマンを教えてください。
岩本 まず攻撃で言えば、中田翔ですね。短期決戦では、4番が打てないと勝つことが難しいと思います。なにより、今季はシーズンを通して彼を使ったわけですから、動かすこともないでしょう。彼がいいところで打てるかどうか。攻撃はこれにつきると思います。
――守備面ではいかがでしょうか?
岩本 僕は武田勝に注目しています。初戦の先発には今季チーム最多勝の吉川という予想も多いですが、僕が監督だったら、安定感のある武田勝を抜擢すると思います。あと、短期決戦といっても最大で6ゲームあるので、多少長い目でみれば、抑えの武田久も非常に重要です。絶対に負けられない場面での登板が続くことになりますから、シーズン以上のプレッシャーの中で、どこまで普段通りのピッチングができるかが重要ですね。
――ありがとうございます! それでは最後に一言、お願いします。
岩本 はい。いよいよCSが始まります。1点にこだわるプロの試合、見逃せません。また、僕が思う1番のCSのポイントは、初戦の先発投手です。ここで抜擢される投手の出来でチームの勢いが決まりますから、1戦目からしっかり観戦してほしいですね。
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