3連勝で2009年以来の日本シリーズ出場を一気に決めたいファイターズの先発は、2年連続2ケタ勝利を挙げた(10勝9敗・防御率2.66)ウルフ。ホークス戦は2勝3敗・防御率2.18の成績で、7月8日に6回途中5失点でKOされた以外は、すべて6イニング以上を投げて3失点以内に抑えるなど、きっちりと試合を作っている。
特に9月15日の札幌ドームでは7回を5安打に封じ、無四球・無失点の好投で勝利投手となった。CS2試合で無失点の増井浩俊、武田久ら強力セットアッパー陣が後ろに控えているため、レギュラーシーズン通り6回までしっかりと投げ切ればファイターズに勝機が見えてくるはずだ。
打線ではやはり、2試合連続で価値ある一発を放った糸井嘉男のバッティングがカギを握る。シーズンではホークスに打率.163と相性が悪かったが、今ステージ2試合で7打数3安打、2本塁打、4打点と大暴れ。
また中田翔も攝津に対しては今シーズン8打数4安打、1本塁打と得意にしている。ただし打線全体で見れば、2試合とも安打数はホークスの方が多いだけに今日の試合でもチャンスを確実に得点に結びつける攻撃や糸井以外の選手の奮起が求められる。更なる得点力アップのための、栗山英樹監督の采配にも注目したい。
一方、後がなくなったホークスの先発は、今季17勝・防御率1.91で最多勝のタイトルを獲得した攝津正。今季のファイターズ戦では札幌ドームでの登板はないが、1勝1敗・防御率4.24とやや苦手としている。中でも8月8日は4回で8安打を浴びて6失点KO、今季唯一5イニングもたずに降板した。一つの負けも許されないプレッシャーのかかる場面で、鷹のエースがどのようなピッチングを見せるのか。
ここで良いデータを示すと、レギュラーシーズンではチームの連敗中に先発した試合で5勝1敗と大きく勝ち越している。また、乗りに乗っている糸井を7打数・1安打に抑えているのも頼もしい。
相変わらず繋がりを欠く打線だが、ウルフから5割以上の打率を残している松田宣浩、同4割以上で5月3日の札幌ドームでの一戦で本塁打を放っているペーニャが、攻略の糸口をつかめるか。また、今季限りで引退を表明している小久保裕紀も、ウルフには打率.333。ラストゲームを本拠地・ヤフードームで迎えるためにも、まだまだベテランの意地を見せたい。
過去2戦は“ラッキー7”と言われる7回の攻防が勝敗を分けた。初戦は7回にホークスが先制を挙げて、その裏にファイターズが糸井の同点2ラン、二岡智宏の勝ち越しタイムリーが飛び出した。2戦目は糸井が2試合連続となる2ランを放った。2012年のCSファイナルステージは、7回に何かが起こる!?
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