投打がかみ合ったファイターズが苦手ホークスから連勝を飾り、2009年以来の日本シリーズ進出に王手をかけた。
ファイターズは初回、2死走者無しの場面で3番・糸井嘉男がカウント2-1から149キロのストレートを引っ張ると、打球は右中間を破る3ベースとなりチャンスを作る。続く中田翔は3-1からの5球目、低めのスライダーを打ってレフトライナーを放つと、これを内川聖一がグラブではじいてしまい、ラッキーな形でファイターズに先制点が転がり込んだ。相手のミスが絡んだとはいえ、ボール先行で立ち上がりに苦しむホークス先発の新垣渚がストライクを取りに来たところを強振した糸井、中田の“思い切り”が先制点につながった。
2回以降、ゼロ行進が続き、停滞気味だった試合を動かしたのは、またも糸井の“思い切り”だった。 終盤の7回に先頭、金子誠のセンター前ヒットをきっかけに2死2塁のチャンスを得た場面で、糸井の打席を迎える。今季6打数無安打だったサウスポー・森福允彦に対し、糸井は初球の内角スライダーを積極的にフルスイングすると打球はライトスタンド中段に吸い込まれる特大の2ランとなり、欲しかった追加点を奪い勝負を決めた。
打のヒーローが2試合連発の糸井なら、投のヒーローは先発・武田勝だった。先制点をもらった直後の2回はわずか9球で3者凡退。4回には1死1,2塁のピンチを迎えるも、5番・多村仁志をチェンジアップの連投で追い込むと、最後は3球勝負となる外角ストレートで見逃し三振に斬って取る。続く長谷川勇也もセカンドゴロに仕留め得点を許さない。 6回は先頭の松田宣浩に2ベースを許すと、その後1死3塁とされたが、1打席目にヒットを打たれている内川聖一を浅めのセンターフライに打ち取る。この打球でタッチアップした3塁走者・松田をセンター・陽岱鋼の好送球でホームタッチアウトとするなどバックの堅守にも助けられ、武田勝らしい丁寧な投球で6回を3安打に封じ無失点に抑えた。
一方、ホークスは7勝2敗1分と相性の良かった札幌ドームで連敗を喫し、これで後がなくなった。4回に1死1,2塁、6回にも無死2塁と得点圏に走者を進めたが、得点につながる1本が出なかった。投手陣では制球に苦しんだ新垣が早めの継投で3回降板となって以降、岩嵜翔が6回まで踏ん張った。しかし、4イニングス目の7回にピンチを作ると、後を継いだ森福が糸井に被弾。シーズンではリーグトップとなるチーム防御率2.56の投手陣も、打線が2試合で2得点と封じ込まれては苦しかった。
記事・コンテンツメニュー