リーグ覇者のファイターズが熱狂的な地元ファンの前で、9勝13敗2分とレギュラーシーズンで負け越していた苦手・ホークスに対して3連勝。アドバンテージを含む4勝に到達し、3年ぶり6度目の日本シリーズ進出を決めた。
初回に中田翔、稲葉篤紀、小谷野栄一、ホフパワーの4連打で3点を先制。6回には1死2,3塁からホフパワーのファーストゴロで飛び出した3塁走者・稲葉の挟殺プレーが相手の送球エラーを誘い、4点目を挙げた。投げてはファイターズ先発のウルフが、19アウト中11個が内野ゴロと持ち味を発揮。7回途中をペーニャのソロホームランによる1失点に抑えた。
一方のホークスはまさかの3連敗。2年連続日本一の夢は、7勝2敗1分と相性の良かった札幌ドームで潰えた。エース・攝津正が足首を痛めるケガもあって初回を持たずに降板、4回にファウルボールを追い掛けてフェンスに激突した二塁手・本多雄一が途中退場するなど、アクシデントが続いた。それでも4点ビハインドの7回にペーニャが弾丸ライナーでレフトスタンド上段にたたき込むソロホームラン、8回には1死3塁から代打・松中信彦のセカンドゴロの間に1点を挙げるなど終盤に反撃を見せたが、あと一歩及ばなかった。また小久保裕紀は2点ビハインドで迎えた9回2死2塁のチャンスでショートフライに倒れ、この試合最後の打者に。4打数無安打で19年のプロ生活に幕を閉じた。
この大一番では、初回の攻防が勝敗を分けた。ホークスは2死走者なしから、内川聖一が右中間を破る2ベースで出塁。連敗中の悪い流れを初回の先制点でひっくり返したかったが、対ウルフの打率.455のペーニャが外角のカーブを引っ掛け、ショートゴロに倒れて得点ならず。
一方、ファイターズは2死走者なしから糸井が四球で歩く。この対戦、レギュラーシーズンでは攝津が7打数1安打と抑えていたものの、今ステージ2試合で7打数3安打と好調の糸井を意識して際どいコースに投げ込む。しかし糸井は、しっかりとこれを見極めた。ここから、攝津に今季対戦打率.500と相性の良い中田が、甘く入ったスライダーを捉えてレフトフェンス直撃のタイムリー2ベース。さらに、稲葉はファースト内野安打でチャンスを広げる。この時、1塁ベースカバーに入った攝津が足首を痛めるアクシデントがあり、ベンチに戻って治療をするために約7分間の中断があったが、小谷野は集中力を切らすことなく、マウンドに戻ってきた攝津からセンターにはじき返すタイムリーを放って手負いの攝津をマウンドから引きずり下ろした。さらに、ホフパワーが2番手・藤岡好明に対して初球から積極的に振ってライト前タイムリーと、勢いは止まらなかった。
お互い2死から走者を出すという似た状況になったが、連敗中のホークスは無得点、連勝中のファイターズは4連打で3得点。チームの勢いが如実に出た初回が、そのまま試合結果に直結した。
記事・コンテンツメニュー